うつ病、双極性障害の高揚感による衝動的行動・判断ミスと睡眠不足の因果関係【しっかりとした睡眠で抑制】

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双極性障害の治療中、薬の効果とその日の自分の状態によってや、躁が強い状態では、自分が通常の判断だと思っていても、極端な行動に出ることがある。

そして、あとになって「やはりアレは(通常の自分と比べ)おかしかった」と後悔することがある。

僕の場合は主に「散財」なのだが、

無駄に散財した時の共通した条件について思い返すと、欲求不満と「しっかりとした睡眠が取れていない」ということに気づいた。

なので個人的な問題の範疇かもしれないが、躁状態の判断ミスと「しっかりとした睡眠」の関係性について調べて書いてみる。

 

なおこの記事は、睡眠不足が人間に起こす影響を知りたい人や、

現在精神疾患をわずらっているが、改善へ向かっており、日常生活を再構築するフェーズに入った人へ、睡眠の重要性を改めて認識するという意味で、

特にオススメする。

 

躁状態のときには気分が高揚し、誰かれかまわず話しかけたり、ほとんど眠らずに動き回るなど、ふだんよりも活動的になります。また、高額な買い物をするなどして財産を失うなど、社会的損失を被ることもあります。

うつ 心の名医7人が教える最高の治し方大全 p146 Q 98「双極性障害」とはどんな病気ですか?

 

経験者が思う「しっかりとした睡眠」とは

この記事を進める上で、まずは「しっかりとした睡眠」の定義をする。

 

僕が思う(一般的にもそうなのだが)

「しっかりとした睡眠」とは、

 

1、自分にとって十分な睡眠時間を確保していること

2、睡眠によって疲れがちゃんと抜けていると感じられること

 

精神疾患と診断された人ならわかると思うが、こんな当たり前のことが難しかったりする。

 

知らない間に寝落ちしていたり、短時間で覚醒したり、

眠りが浅いと感じたり、寝ても疲れが取れず日々蓄積していったり。

(ちなみにうつ病初期のひたすら眠りたい時期や過眠についてはこの記事では別問題とする。)

 

1の「自分にとって十分な睡眠時間を確保していること」

については各々、自分はどれくらいの睡眠時間をとるとちゃんと動けるのか、

経験的になんとなくわかっていると思う。

 

健康なときですら無理していると動きや判断、体調に支障が出て、

睡眠って大事だなと痛感したりするわけだから、

精神疾患をわずらっているなら特に、ちゃんと睡眠に入る準備をした上で十分な睡眠時間を確保したい。

 

一般的に、睡眠が不足するとどのような問題が起こるのか?

精神疾患への影響を意識しつつ、睡眠時間に関する多くの研究を調べてみた。

その結果、一般的に睡眠不足では、以下のような症状が現れることがわかった。

 

・様々な身体的疾患への危険性が増す

・ポジティブな感情が減る

・不安や恐怖を感じやすくなる

・怒りの感情が湧きやすくなる

・うつ病などメンタル疾患になるリスクが高まる

・疲れやすくなる

・集中力や注意力の低下

・判断力の低下

・意思決定や問題解決に悪影響

・ストレス、欲求、誘惑に弱くなる

 

睡眠不足は心身の健康に悪影響で、脳機能も低下させ、

人のパフォーマンスを全体的に低下させるとのこと。

(つまり睡眠不足は「通常の自分ではない自分」を生む。)

 

そして、この記事の意図として、着目すべき点は、

脳機能と感情の部分。

 

睡眠不足状態では、

ポジティブな感情がわきづらくなり(欲求不満を誘発)、

不安や恐怖、怒りなどのネガティブな感情を生みやすくなる(情緒の不安定化)。

くわえて、

脳機能の低下によって、

感情のコントロールと正しい判断が難しくなるので、

 

健康な人であっても、欲求や良くない感情、正しくない衝動のままに

結果としてあやまった行動を起こす可能性が上がるということ。

 

(あくまで、さまざまな実験から一般的にも、可能性が上がる、ということが数値で示されているだけで、実際に行動として起こすかは別。普通は、多少感情が出てしまう等の小さなブレはあっても、大きな実害というまでには至らないだろう。)

 

睡眠不足が双極性障害の高揚感や衝動性に及ぼす影響

端的にいうと、睡眠不足は双極性障害をより深く難しいものにしてしまう。

 

一般的に双極性障害とは、気分が高揚する「躁」と気分が落ち込む「うつ」の状態を繰り返す病気で、

双極性障害をわずらう人間はそんな気分と体調の波をなんとかコントロールしようと日々戦っているはずだ。

 

医者が処方する精神薬の目的には、寛解へ向けてはもちろん、

その前段階として、双極性障害の気分や体調の波を安定させる目的もあるだろう。

 

しかし双極性障害経験者として思うのは、

処方された薬の効果とその日の自分のテンションがうまく噛み合わないことがあるということ。

 

(例えば、高揚している状態で気分が上がる薬を飲まないといけない時があったりする。

かといって飲まないでいるとうつ状態になるし、離脱症状で動けなくなったりする。

慣れてくると先生との話し合いの末、そういう時はこの薬は抜いてみてもいい、とかそういう使い方もわかってくるのだが。

迷った時はその場で電話対応してもらうと良いだろう。)

 

僕は長い間、基本的にサインバルタを処方されているのだが、

サインバルタにはこんな副作用やデメリットもある。

 

  • 気分を高揚させて躁転させてしまう
  • 不安や焦燥感が急激に強まって自殺衝動を高めてしまう
  • ゆえに気分に波がある方や若者では、慎重に使っていく必要ある

 

僕の場合は、サインバルタの他にも逆に高揚を抑えるような薬も飲みバランスを取っているのだが、

時期によっては「躁状態の高揚」に「薬の効果の高揚」を重ねてしまうこともあった。

 

このように双極性障害の患者は睡眠不足うんぬんの前に、

双極性障害の症状に加え、

治療にあたり処方された薬の効果と今日の自分の状態をうまく噛み合わせてバランスをとる、

という二つの難しさとすでに戦っている。

 

本題、双極性障害に睡眠不足が加わると

双極性障害に睡眠不足が加わると、

うつ状態はより深くなり、躁状態では間違った行動を起こす危険性が高まる可能性がある。

 

なぜなら睡眠不足が人にもたらす影響には、

・不安や恐怖を感じやすくなる

・ポジティブな感情が減る

などがあり、これはうつ状態の症状と被る。

 

また、躁状態の時に起こる

・自尊心の肥大(全能感)

・活動の増加(場合によっては破壊的逸脱行為に発展する可能性もある)

・快楽的活動に熱中する(散財、性的に奔放になる、逸脱行為)

 

は、

 

睡眠不足が人にもたらす

・怒りの感情が湧きやすくなる

・判断力の低下

・意思決定や問題解決に悪影響

と悪い意味で噛み合ってしまう。

 

例えば、躁状態に睡眠不足が絡むと、

自尊心の肥大と破壊的逸脱行為への衝動にイラつきやすさと判断力の低下が加わったり、

快楽的活動への欲求と活動の増加に判断力や意思決定の低下が加わったりする。

 

睡眠不足と躁状態の因果関係についての研究

双極性障害の再発に関するある研究では、

特に躁状態と睡眠の関係性は深いという結果が示されている。

その研究によると、睡眠が十分に取れなかった患者の3分の1は翌日気分が大きく高揚したという。

 

違う研究では、

双極性障害の患者に40時間連続で起きてもらう実験をしたところ、

7割以上の患者が躁状態になったと報告されている。

 

一方、薬物療法がうまくいかなかった双極性障害の患者に、

毎日定時に就寝してもらい経過を見たところ、

多くの患者の気分が安定したという報告もある。

 

「しっかりとした睡眠」をとるには

ここまで読んでくれたのなら、

やっぱり精神疾患の治療には睡眠も大事なんだな、

と多かれ少なかれ思ってくれたと思う。

 

質の良い睡眠をとるコツについて説明しようとすると、それだけで1記事になってしまうので、

ここではあくまで(特に日常生活を再構築するフェーズにあたる)双極性障害の患者が、

しっかりと寝るにはどういう工夫をしたらいいのか、

について経験者として書いていこうと思う。

 

1、まずはやはり処方された薬を寝る前に飲むこと

基本はやはり、処方された寝る前の薬(睡眠薬、睡眠導入剤)をしっかり飲む習慣を身につけることかなと思う。

飲んでみて、それでも寝られない、だったり、寝過ぎてしまう、だったりは精神科で相談して調整してもらえばいいので。

 

かくいう僕はというと、

睡眠薬はほとんど飲んでこなかった。笑

 

というのは、うつ病(双極性障害)初期の段階では、

ほぼ寝たきり状態で飲むタイミングがないようなものだったし、

その後も、少し起きては知らぬ間に寝落ちしているので、いつ飲むというのがなかった。

(けど、逆に飲んでいればメリハリがついたのかもしれない)

 

二つ目の理由としては、

夜になるとテンションが上がって寝たくない。

深夜になるとなぜかポジティブになれ、このブログなど活動的になれる。

(できるときに生産的なことをして巻き返さないとという焦りもある)

それで毎日電気つけっぱなしで布団も被らず寝落ちを繰り返す日々だったのだが、

やはり疲れが取れない。

短時間で覚醒したり、睡眠時間はとれていても眠りが浅かったり、

疲れが蓄積して起きていても何もできなくなったり、

反動で体調を崩して寝たきりになる時期が来たり。

 

なので、十分かつ深い眠りをとり体調を安定させるという意味で、

回復するまでは処方された薬はちゃんと飲んだほうが良いと思う。

 

それに社会復帰したときのことを考えても、自分に合う寝る前の薬はわかっていたほうがいい。

 

2、睡眠に入る準備をしてから寝る

1まずはやはり処方された薬を寝る前に飲むこと、の項目で少し書いたが、

しっかり寝る準備をしてから寝るのと、寝落ちなど環境が整ってない状態で眠りにつくのでは、

同じ時間寝たとしても疲れの取れ方がまったく違う。

 

疲れが取れない状態が続くと起きていても、頭がボッーとして何もできなかったり、

イライラしたり、鬱々としたり、フラストレーションと判断力の低下で衝動的に金を使ったり、

良いことがない。

 

やはり理想は寝る前のルーティンをこなして快適に眠りにつけること。

 

寝る前は、歯を磨いて、寝具を整えて、あかりを暗くし、

薬を飲んでちゃんと寝よう。

 

寝る前にストレッチやヨガ、瞑想をしたり、

癒し系BGMやアロマとともに就寝するのもオススメ。

 

3、目覚ましをかける

僕らにはしっかり深く寝ること以外にもやらなくてはならないことが沢山ある。

なので、ひたすら眠るというフェーズを超えて、ある程度活動ができるようになり、

日常を再構築しようと考えているならば、

起きる時間も決めておきたい。

 

あくまで僕の場合であるが、睡眠薬を飲むと寝ようと思えば十数時間寝れてしまうので、

目覚ましをセットしないと起きるタイミングがない。

その結果、昼夜逆転に戻ったり、日中できずにいたことをこなして寝る時間が遅くなったり、

睡眠をとりすぎて食事を取れずに痩せてしまったりする。(栄養も不足する。)

 

ある程度体調が回復していれば、

目覚ましが鳴って目が覚めればそのまま起きようと思えるので、

ある程度規則正しい生活をして体調を安定させるためにも目覚ましを利用しよう。

 

良い1日を過ごすために睡眠の満足度を上げよう。

今回は、双極性障害の高揚感によって起こる衝動的行動・判断ミスと睡眠の関係性について書いたが、

しっかりとした睡眠をとることは、高揚感による逸脱行為を抑制するだけでなく、

うつ病や双極性障害の予防、治療、再発防止にも重要であることがわかった。

 

精神疾患をわずらう人は「オン」と「オフ」の緩急をつけるのが苦手な頑張り屋が多いというが、

基本的に人が「継続的に」幸せになるには、

活動と娯楽と休息のバランスが取れていることが大事。

 

この機会に今一度、

人生の3分の1ともいえる「睡眠」を大事にして、

幸せな睡眠時間作りを意識してみてはいかがだろうか。